マンションコラム
vol.3

「値下がりしない物件を買う」

2020年3月3日

3年前に離婚した、花田いずみ32歳。現在年収250万円で、小学2年生と6年生の2人の男の子を育てている。賃貸マンションに住んでいるが、年々たくましく頼りがいが出てきた長男が、自分の部屋が欲しいと言い出し困っている。
このコラムは、不動産やローンの知識など全く持っていなかったいずみが、
謎の人物「飛田薫」から学び、家を買うまでのストーリー。

―――仕事帰りに新しい賃貸物件を探すため不動産屋に行ったいずみ。カフェだと思って入った店が不動産屋だった。コーヒー好きの不思議な店主 飛田薫がコーヒーを出してくれ、心がほぐれたいずみ。自分の身の上話や賃貸マンションを探していることを話すと、薫は「借りる」だけではなく「家を買う」という選択肢があると教えてくれた。自分の家が持てる?と期待をしたいずみだったが…

どんな物件でも良いってわけじゃないってどういう意味ですか?手の届く金額だったらいいんじゃないんですか?

う~ん。金額だけの問題ではないのだよ。物件を選ぶのに大切なポイントがあるんだ。

ポイント?知りたいです。教えてください!

もちろんだとも。ええと…おっとすまんな!ここまで話しておいて、わしは自分の名前を名乗るのを忘れていたよ。わしの名前は飛田薫だ。小さい時は薫という名前をよくからかわれたもんだった…。あの頃はまだまだ男にこんな名前は少なかったからねぇ。

あの頃??あ、私は、いずみです。花田いずみ。

いずみさんだね。ところでいずみさん、「メルカリ」はやっているかな?

メルカリ?ちょっとやっています。周りのママ友もみんなやっていますよ。子どもの服とか、ゲームが多いですかね~。あとお金に余裕がある時は自分の服も買います。

そうかいそうかい。メルカリをよく利用しているようだねぇ。例えば、入園入学で着るフォーマルスーツとかは、デパートなどで買っているのかな?

まさか!だって、高いし。メルカリで結構素敵なスーツが見つけたので、買いましたよ。

買ったその服はまだ持っているかな?またメルカリに売ったとか?

ええと、私は気に入ったから売ってないけど、お友達は買って、着て、また売っていました。

そう、それそれ。メルカリで買った時と同じ金額で売ることができたら、服をタダで着ることができたということになるよね?それと同じことがマンションでできるんだ。

さっき教えてくれたことですよね。売る時に、買った時と同じ値段で売れば利益が出るってお話。マンションもメルカリで買いたいな~なんて。安く売ってないかな~(笑)。

そんな日が来るかもしれないねぇ(笑)。そして、全てではないが、時間が経った服は安くなるよね?マンションの売買でもそれと同じことが起きるんだ。

はい、値下がりしないというか、価値が下がらない服だったら少し高くても買って良いかなって思います。だって、売る時に高く売れるから、損しないし!でも、そんな値下がりしないマンションってあるんですか?

うん、普通は年を追うごとに値下がりするよ。でも、一番値下がりの幅が大きいのは新築マンションなんだよ。

ん?ということは、当たり前だけど、売り始めが一番高いってことですね。値下がりの幅が大きっていうのはどうしてなんですか?

それは、マンションを販売するために、モデルルームを作ったり、立派なパンフレットを作ったりするだろう?それと販売員の人もいる。それらの費用などが含まれているから、最初は高いんだ。「家を買う」ということは一大イベントだから、売る方もそれにふさわしい売り方をするんだろうね。

え~~!そういう金額が上乗せされているんですか?なんかやだ~!!

ははは!いずみさんは素直で面白いねぇ。そう、それらの費用も購買者のお財布から出ているということだ。だから、マンションは中古になると2割下がると言われている。一度買われて、また売りに出されると安くなるんだよ。

へー。そうなんですね!

マンションの値段はどんどん下がり続けて、最初の15年ぐらいまで値下がり幅が大きい。そして段々と緩やかになるんだ。一般的には、30年経つとほぼ下げ止まって、いわゆる底値になると言われているよ。

なるほど。30年かぁ~。なんか古く感じるなぁ。

確かに古いねぇ(笑)。その、古くて「底値になった物件を買う」というのが、マンションを買う一番大切なポイント。例えば3千万円でマンションを買ったとする。

キャー!高すぎます~!買えないですよ~(泣)

例えば、の話だよ(笑)。売るときに1500万円になっていたとしたら、1500万円損することになるよね。

1500万円の損って、大損害ですよ!!わかった!だから、買う時に、既に一番安くなっているマンションを買う、底値のものを買えば、売る時には値下がりしないから、損が無いってことですね!

そうなんだよ。買ったときと同じ値段で売れたら、「ローンを払っていること=(イコール)貯金」みたいなことになる。月4万5千円のローンを払っていて、その内訳には管理費修繕積立金1万5千円があるとすると、残りの3万円は貯金しているようなものだね。

うんと、でもその1万5千円も大きいな。あの…管理修繕積立金は、戻ってこないんですね?私、欲張りですか?

いやいや、そんなことはないよ。戸建ての場合、家の修繕は自分の費用で賄わなければならないが、マンションの部屋の外側や共用部分が痛んできたら、管理組合が直してくれる。そう考えると、修繕積立金もその時のために貯金しているとも考えられるね。

あ~なるほど。戸建てでも、マンションでも修繕は必要ですものね。

賃貸だと4万5千円が、保険で言うところの、いわゆる「掛け捨て」になってしまうと言えるのではないかな。だから、30年くらい経って底値になった古い物件だからって、悪いことばかりではないんだよ。

なるほど~。納得しました。でも、30年経った物件って、結構痛んでいるんじゃないですか?古いといろいろ不安なんですけど…。

じゃあ、30年経った物件見てみるかい?ほら、これなんかそうだよ。

あ~こんな感じなんですね。思ったよりもひどくないけど、あまり住みたいと思えないです。

壁や床など表面に見えるところ、もちろん配管や給湯機の設備などが痛んでいることもあるし、間取りが今風じゃない物件もあるね。例えば洗濯機置き場が外にあるとか。

それはちょっと…。それってどうにかできるんですか?リフォームするとしてもお金かかりそうだし。

それでは次は、リフォームする時のポイントを教えようか!

あ!!もうこんな時間!ごめんなさい!子どもたちが帰ってくるのでまた今度お願いします~!じゃまた~!

おお、そうかい…。

今回のポイント

① 新築から15年が値下がり幅が大きい
② 30年経つとほぼ底値になると言われている
③ 底値のマンションを買うと、損をしづらい