「リフォーム保険も付いて、お金も戻ってくる」

3年前に離婚した、花田いずみ32歳。現在年収250万円で、小学2年生と6年生の2人の男の子を育てている。賃貸マンションに住んでいるが、年々たくましく頼りがいが出てきた長男が、自分の部屋が欲しいと言い出し困っている。
このコラムは、不動産やローンの知識など全く持っていなかったいずみが、
謎の人物「飛田薫」から学び、家を買うまでのストーリー。
―――仕事帰りに新しい賃貸物件を探すため不動産屋に行ったいずみ。カフェだと思って入った店が不動産屋だった。コーヒー好きの不思議な店主 飛田薫がコーヒーを出してくれ、心がほぐれたいずみ。自分の身の上話や賃貸マンションを探していることを話すと、マンションを買うとこなどについていろいろ教えてくれた。2日連続で薫の元を訪れ、リフォームについて話を聞いているいずみ。

い、いんすぺくしょんって何ですか?私英語苦手なんですよ~~。
英語は難しいよね。わしも横文字はどうも苦手でねぇ。英語だと、「inspecution」。点検、検査という意味だよ。「ホームインスペクション」とは、住宅業界の言葉で、住宅診断、人間でいうと健康診断みたいなもの。住宅の設計・施工に詳しい専門家が、住宅の劣化状況、欠陥の有無などを診断するんだよ。


お家の健康診断!
プロが診断してくれるから、安心して家を買うことができるし、買った後も安心だよね。


そうですね~!専門家って?どんな人たちなんですか?
例えば、いずみさんが不動産屋さんにお願いすると、建築事務所や設計事務所に在籍している、検査できる資格を持っている人が派遣され、調べてくれるんだよ。一級建築士さんとかね。


へぇ~!家を作るプロの人たちだから、検査もできるってことですね。
そうだね。ここは修繕した方が良いですよって、一見分かりにくい、不具合を見つけてくれるんだ。指摘されたところを修繕すれば安心して暮らせるよね。そもそも、検査の主旨は、検査の結果に従って修繕して売ることなんだ。これは、戸建てのものだけど、実際の検査完了証だよ。



わぁ~、私が見ても分からない箇所ばかり…。これは安心できそうです!
この検査にはまだ良いところがあるんだよ。検査して指摘されたところを修繕し、調査を終えて、もう大丈夫というお墨付きをもらうと、物件に保険を付けられるんだ


保険???何かあった時に補償されるってこと?
それもあるよ。もう少し詳しく説明しようか。難しい言葉も出てくるけど、英語ではないし、内容は難しくないからね。その保険の名前は「既存住宅売買瑕疵保険(きぞんじゅうたくかしほけん)」というんだ。構造上の主要な部分や雨水の侵入を防止する部分などに対し、2年~5年間の保険期間がある。また、その保険対象の部分に欠陥、不具合があった場合に補修費用が出るんだよ。


検査を受けて修繕して買って、もし保険対象の部分に何かあった場合はお金が出て直せるんですね?それは確かに安心できるかも。
そうだろう?費用の8割程度が出るんだ。でも、まだ良いことあるんだよ。


まだあるの??
通常新築物件を買う時だけに適応される住宅ローン控除を受けられるんだ。


う~んと、お金で得するってこと?控除とかよくわからないんです、私・・・。
ざっくり言うと、住宅ローンの10パーセント弱が戻ってくるってこと。それプラス、住まい給付金がもらえるんだ。


えっ!?ローン払う分のお金までもらえるの?10パーセント弱?すごい!!
例えば1000万円の家だったとすると、全部で130万円くらい戻ってくるイメージだよ。


めちゃくちゃ良いじゃないですか!それって大金ですよ!うれしい~!!
そうだろう、そうだろう?しかも国が認定した保険会社が保証してくれるから信頼できるね。


あ、ちょっと待って。めちゃくちゃうれしくてテンション上がりましたけど、その検査っていくらですか?一級建築士さんが検査するとか、保証があるとか、お金が戻ってくるとか良いことづくめだけど、その代わり、めちゃくちゃ検査費用が高いとか・・・・・・
ふふふ。さすがはいずみさんだ。そこ、気になるよね。だいたい5万~7万円といったところかな。


あ、そんなに高くない!いや、金額としては安くないですけど、最初にその金額支払えば、安心が付いてきて、なおかつ100万円くらいが還ってくるなんて、宝くじ買うより全然いいじゃないですか!宝くじ買ったって、0円になることがあるんですから(泣)。
おお!宝くじか。良い表現だね。それ、今度から使わせもらうよ(笑)
